寂しがり

アイコンは▼http://nanos.jp/ganador/▼伝染病様より。ありがとうございます。

湿った夏

閉じ込めた窓が呼吸を諦めるように

怠惰に、消極的に空気を澱ませた。

羽の広げ方を忘れた蝉は、

生まれ落ちたときに死んだほうがマシだったか。

雪に裸足を埋めて動けなくなったとしたら

それは自業自得だろうか。

湿度に窒息する。汗をかくほどに凍えていく。凍傷は夏の暑さでは治せない。

むせ返るような熱気の中で、口を開いて、また閉じれば、なにかがただ声もなく死んだ。確かに死んだのだ。