2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
この歳になって"女生徒"を読んでたよりなく泣いてしまった私は今もまだ女生徒なのですね
心臓を彫刻刀で削ると ちょうどざくろのように赤い粒が零れだした これが私の心か なるほど、もろく小さな人格の集合だ 私は熱心に心臓を彫刻刀で削った いつか美しいかたちが現れるのではないかと 削っても削っても、出てくるのはみな歪な丸い粒ばかりだ や…
傘をささずに歩み出でれば 頬が濡れ、髪が濡れ、爪先濡れる 目に雨粒見えねども 霧雨降るなりけり 傘差せば雨音微かに 未だ見えぬ雨粒に輪郭を与う 子らの傘列をなし 霧雨止まぬなりけり
哀しみをなんとしょう。 淋しみをなんとしょう。 あなたから流れてくる、流れてくる、それを両《ふた》つのてのひらで受け止めきれず、 僕は立ち尽くすよりほかなかった。 3月の雪の日。遠去かる春の訪れ。 この哀しみをなんとしょう。 冷たくすきとおった雪…